情報科学屋さんを目指す人のメモ(FC2ブログ版)

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IEEE用クラスファイル「IEEEtran」の使い方と注意点 このエントリーを含むはてなブックマーク

IEEEに投稿するために使用するTeX用クラスファイル「IEEEtran」の使い方と注意点を、自分が投稿したときの経験を元に書いておきます。

前提

自分が投稿したのはIEEE P2P 2011です。IEEEtranの使い方にはいくつかの分類があって、JounalかConferenceかという論文の種類に関する条件と、Computer Society向けかどうかという2点です。P2P 2011は、Communication SocietyのConferenceということになります。以下、これを前提として記述しますですが、他にも共通の内容が大半です

IEEEtranの入手方法

IEEEtranは、Author Digital Tool Boxからダウンロードできます。

「Template for all Transactions」にある「WIN OR MAC LaTeX2e Transactions Style File」か「Unix LaTeX2e Transactions Style File」を自分のOSに応じてクリックしてダウンロードを行い、圧縮ファイルを展開することでクラスファイルなどの一式が入手できます。ちなみに、IEEE Transactions on Magnetics, IEEE Magnetics Letters, IEEE Photonics Journal and IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulationは別のスタイルファイルが用意されているので、そちらを使ってください。このエントリでは扱いません

ファイル一式

主なファイルそれぞれがどういうものかを書いておきます。今回使用する.texファイルは、「bare_conf.tex」です

  • bare_adv.tex
    Conference かつ Computer Society(CompSoc)
  • bare_conf.tex
    Conference かつ CompSoc以外
  • bare_jrnl_compsoc.tex
    Journal かつ CompSoc
  • bare_jrnl.tex
    Journal かつ CompSoc以外
  • IEEEtran.cls
    IEEE Styleのクラスファイル
  • IEEEtran_HOWTO.pdf
    クラスファイルの説明書

公式参考文書

論文を書く上で、たくさんの説明書きがIEEEより公開されていますが、メインは以下の二つです。基本的にこれらを参考に書きます。また、.texファイル自体にもいろいろ説明があるので参考にします。

  • IEEEtran_HOWTO.pdf
    さっきダウンロードした一式に付属。スタイルファイル自体の利用方法、書き方を担当。
  • IEEE Editorial Style Manual
    基本的な書き方の注意。タイトル・数式のルールなど、内容に近い部分を担当。

\begin{document}より前の部分

ここ以降、私が提出した論文ファイルを参考にします。この節は、実際の.texファイルを見ながら読むと分かりやすいと思います。

まず、重要なのは「デフォルトじゃだめなところばかり」ということ。そのままでいいや、は通用しません。

\documentclass

peerreviewオプションを付けると、表紙に名前が入って、2page目から名前なしの論文本体が始まるようになります。

\usepackage{ifpdf}

このパッケージを利用することで、「\ifCLASSINFOpdf~\else~\fi」という構造を使えるようになります。実は、この「ifpdf」の意味するところは「.pdf形式で提出する」ということを意味するわけではありません。じゃぁどういう意味かというと、「.texから直接.pdfを作る」=「pdfLaTeXを利用する」ということを意味しているようです。日本でpdfLaTeXを使う人は少ないと思うので、.pdfを最終的に作るからと言って、「\ifCLASSINFOpdfから\elseまで」の中身が適用されると勘違いしないように注意です。

GRAPHICS RELATED PACKAGES

直前で書いたとおり、\ifCLASSINFOpdfから\elseまでは、pdfLaTeXを使う場合の設定なので、それ以外を使うなら、\elseから\fiまでに設定を書きます。

ここでは、オプションをしっかり指定しましょう。たとえば、dvipdfmxを使用する場合は、

\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}

と記述します。「graphicx」以外も利用可能ですが、これが推奨されています。

MATH PACKAGES

次の二行を同時にコメントアウトします。

\usepackage[cmex10]{amsmath}
\interdisplaylinepenalty=2500

AMSmathパッケージの強力な数式表現が使えるようになります。また、数式を途中で改行するときに、スペースを使いすぎることを防ぎます。

SUBFIGURE PACKAGES

subfigure.styより新しいsubfig.styを利用するために次の行をコメントアウトします。

\usepackage[caption=false, font=footnotesize]{subfig}

実はこれだけでは駄目で、subfig.styを用意する必要があります。しかし、これがちょっと手間です。

まず、subfigのページからsubfig.zipをダウンロードします。ここからが問題なのですが、Makefileという文字から察しの良い方は分かるとおり、自分でMakeする必要があります。Makeを実行してsubfig.styを作成してください。ここでは、Windowsの場合を書いておきます。まず、Make for Windowsのページから、「Setup program」というリンクをクリックして「make-3.81.exe」をダウンロードし、インストールします。すると、「C:\Program Files\GnuWin32\bin」に「make.exe」がインストールされるので、subfig.zipを展開したフォルダにmake.exeを放り込んで実行すれば、めでたくsubfig.styが作成されるはずです。

なんだかんだでsubfig.styを作成できたら、.texと同じフォルダに投げ込んでおきましょう。

PDF, URL AND HYPERLINK PACKAGES

\usepackage{url}

をコメントアウトし、url.styを.texと同じフォルダに投げ込んでおきます。

その他 - 定義・定理などを書く場合

私が書いた論文では定義・定理などを利用したので、次の行を追加しました。

\newtheorem{Definition}{Definition}
\newtheorem{Theorem}{Theorem}
\newtheorem{Lemma}{Lemma}

その他 - 場合分け

数式の場合分けそれぞれに行番号をつけるために、次に行を追加しました。

\usepackage{cases}

その他 - 最後のページの左右そろえ

.texには、最後のページにおいて、左右の高さをそろえろと書いてあります。実際に、そこに書いてあるとおりにやれば、左右の高さをそろえられるかもしれませんが、ちょっと原始的すぎるので、私は「flushend}を利用しました。その結果、次の行を追加しました。

\usepackage{flushend}

その他 - 図の配置のバグ修正

デフォルトのパッケージには、図の順番が入れ替わってしまうバグがあり、実際に自分も踏んでしまいました。そこで、その対策パッケージを利用します。

\usepackage{fixltx2e}

その他 - 予算用謝辞

基本的にConferenceでは謝辞を書くなということになっているのですが、予算に対しての謝辞は例外扱いだそうです。しかし、Acknowledgementの節を作るな、となっています。じゃぁどうすればいいのかというと、authorの中に書くことで、1ページ目の左下に挿入します。実際の書き方は後にするとして、この謝辞を書くために必要な命令があるので、これを書いておきます。

\IEEEoverridecommandlockouts

著者・予算用謝辞の書き方

予算に対する謝辞を含めた例を書きます。括弧の位置に注意です。

\author
\author{ \IEEEauthorblockN{Hiroya Nagao, Futarime Namae} \IEEEauthorblockA{Tokyo Institute of Technology\\ 2--12--1 O-okayama, Meguro-ku, Tokyo, 152--8552 Japan\\ Email: \{hiroya.nagao, futarime.namae\}@is.titech.ac.jp} \thanks{ This work was supported by MEXT KAKENHI (999999999). }}

こんな感じです。これは二人の場合ですが、4人以上になるとまた違った気がするので、HOWTOをちゃんと読みましょう。ちなみに、\author{}の中に\thanksを入れないと、謎の1ページ目が出現しました。また、表示されない場合は「\IEEEoverridecommandlockouts」を書き忘れている可能性があります。

abstractについて

基本的にabstractで数式を使うなよーということになっています。

査読用pdfについて

peerreviewオプションを付けると、表紙に名前が入って、2page目から名前なしの論文本体が始まります。紙媒体なら、これで印刷して、1枚目を取り除けばdouble blind reviewにもってこいなのですが、pdfを転送することを考えると、若干疑問が残ります。そこで私は査読時には「\author」丸ごと削除しました。これでも特にエラーは出ません。自己責任で

証明の書き方

証明は、専用の環境が用意されており、次のように書きます。

\begin{IEEEproof}
(証明の中身)
\end{IEEEproof}

図の書き方(通常)

図の書き方はやっかいなのですが、たとえば次のようにするという例を書いておきます。

\begin{figure}[!t]
\centering
\includegraphics[clip, width=3.4in]{figure1.eps}
\caption{Caption.}
\label{fig:figure1}
\end{figure}

たとえば、配置のオプションは「!t」にするとか、中央寄せは「\centering」で行うことなどがポイントです。

図の書き方(応用編)

スペースを節約するためのよくある応用として、左右のカラムを突き抜けて、3つの図を配置する方法を書いておきます。

\begin{figure*}[!t]
\centerline{
\subfloat[subcaption1]{
\includegraphics[clip, width=1.7in]{graph1.eps}
\label{fig:graph1}
}
\hfil
\subfloat[subcaption2]{
\includegraphics[clip, width=1.7in]{graph2.eps}
\label{fig:graph2}
}
\hfil
\subfloat[subcaption3]{
\includegraphics[clip, width=1.7in]{graph3.eps}
\label{fig:graph3}
}
}
\caption{Caption123.}
\label{fig:figure123}
\end{figure*}

箇条書きの書き方

箇条書きは、普段通りitemize, enumerateを利用できますが、ものすごく細かい設定が出来るようになっています。あまりにいろいろ設定できるので、HOWTOを読んで困惑しましょう。

数式の書き方

まず「eqnarrayは使わない」ということに注意してください。その代わりに「IEEEeqnarray」を利用します。IEEEeqnarrayでは、通常「rCl」で(見えない)表の中の数式の位置が整列されますが、このオプションを自分で自由にコントロールできるようになり、配置の自由度が大きく向上します。「\begin{IEEEeqnarray}{rrl}」などとして利用できます。オプションの詳細はTABLE IVなどを見てください。

他にもたくさんの注意点があります。たとえば、「1st」や「n th」などと書く場合に、「st」や「th」を上付き文字にしてはいけなかったり、「10,000」という表記を利用してはいけなかったりです。ちなみに、じゃぁ「10000」なのかというとそういう訳ではなくて、正解は「10 000」です。これは、カンマの意味が国によって違っているからという話を聞いたことがあります

また、特徴的なルールとして、等式を文章中で指し示すときに「equation (1)」のような使い方は禁止されています。「equation」という言葉を出して引用して良いのは基本的に文頭だけであり、そうでない場合は数字だけで「(1)」のように引用します。

もうひとつ特徴的なルールをあげておくと、数式の後ろに条件を記述する場合は、メインの式と数式の間に2文字分のスペース(\qquad)を挿入します。つまり、たとえば「d(x,y)=0\qquad (x=y)」や「d(x,y)=0,\qquad (x=y)」とします。

Referenceの書き方

これが驚くほど詳細にルール決めがされています。たとえば、会議名やJournal名の省略にもルールがあり、ルールに載っていない単語も当然ありますが、載っている単語を省略するときは、ちゃんと説明に書いてあるとおりに省略しましょう。たとえば、CommunicationをComm.と省略するのかCommu.と省略するのかなどが厳密に決まっているのです。

また、「To appear」を使ってはいけないというルールがあります。よく、公開前の(自分の)論文引用する場合に使われますが、IEEEtranでは使用禁止で、「to be published」か「submitted for publication」を使えとよーく読むと書いてあります。どうしてかというと、「to appear」では、査読に通っているかどうかが分からないからです。査読に通っているなら「to be published」を使い、査読に通っていないのなら「submitted for publication」にします。bibtexでこれを書く場合は、.bibに

note = {to be published}

と書けばOKです。

まとめ

他にもたーーーーーーっくさんルールがあります。とりあえずここに書いて置いたことも参考になると思うのですが、とにかく読まないと分からない落とし穴がたくさんあるということが分かってもらえると思います。つまり、もう何が言いたいか分かったかもしれませんが「ちゃんと説明を読め」ということです。よく読みましょう。

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