簡単TeXインストール@Windows
この記事の最新の内容はこちらです→「もう難しいなんて言わせない!たった20分でできる簡単TeXインストールWindows編(2010年4月版)」
TeXのインストールって大変
TeX(LaTeX)のインストールは、そもそも「TeX」というソフト一つをインストールすればよいという訳でもないので大変です。TeXを始めようという人は、もうこの時点でやる気を失う可能性大です。
TeXインストーラを使えば超簡単
そこで、おすすめしたいのがTeXインストーラです。これを使えば、大幅にTeXのインストールが簡単になります。とにかくTeXを簡単に、素早く、手軽にインストールしたい人は、是非試してみてください。
今回のエントリは
今回のエントリは、実際にTeXインストーラを利用してTeXの実行環境を構築するために、行う手順を詳細に説明します。イメージとしては、表示されるダイアログの英語を読みたくない人や、OK押せばいいか、どこにチェックを入れればいいか確かめるのがめんどくさいという人向けです。見出しとアンダーライン部分さえ読めばインストールできるのではないかという使用になっております
また、ほんの一部ですが、何度かTeXインストーラを利用しているうちに、発生した問題についても解説しています。
TeXインストーラでのTeXインストール手順
TeXインストーラダウンロード
では、早速TeXインストーラ自体をあべのり様のページからダウンロードします。
TeXインストーラ3 0.76
をクリックすると、
kakuto3_0_76.zip
がダウンロードできます。
プラグインダウンロード
同じページで
TeXインストーラ3用plugin集
をクリックし
kakuto3_plugins.zip
をダウンロードします。
解凍
kakuto3_0_76.zipとkakuto3_plugins.zipの2つを解凍します。解凍すると、以下のようになります。
-
kakuto3_0_76.zip
-
kakuto3
- kakuto3.exe
- kakuto3.txt
- license.txt
- msvcrt-ruby18.dll
- lib/ruby/...
- plugin
-
kakuto3
-
kakuto3_plugins.zip
-
kakuto3
- plugin.txt
- plugin_ispell.dll
- WinShell.rb
- Xypic.rb
-
kakuto3
プラグインファイルをコピー
kakuto3_plugins.zipの中身のファイル3つを、pluginフォルダに入れる。その結果、次のようになる。
-
kakuto3_0_76.zip
-
kakuto3
- kakuto3.exe
- kakuto3.txt
- license.txt
- msvcrt-ruby18.dll
- lib/ruby/...
- plugin
- plugin_ispell.dll
- WinShell.rb
- Xypic.rb
-
kakuto3
インストーラ起動
kakuto3.exeをダブルクリックして実行
インストール対象一覧→「次へ」
起動直後、インストール対象一覧が表示されます。ちゃんとプラグインファイルをコピーしておけば次のように表示されます。
- 角藤さんによるW32TeX
- dviout for Windows
- GhostScript
- GSView
- ispell
- WinShell
- Xy-pic
「次へ」をクリック。
W32TeXのインストール設定→設定はそのままで「次へ」
W32TeXのインストール設定は、初期設定が次のようになっています。
- ファイルの保存場所:C:\tex\download\
- インストール先:C:\tex\
- URL:http://w32tex.org/current/
- 「ダウンロードをキャッシュから読み込まないようにする」にチェック
設定はそのままで「次へ」をクリック。
dviout, GhostScript, GSviewのインストール設定→設定はそのままで「次へ」
初期設定はこちら
- dviout URL : ftp://akagi.ms.u-tokyo.ac.jp/pub/TeX/dviout/current/
- GhostScript URL : http://w32tex.org/gs/
- GSview URL : ftp://ftp.ring.gr.jp/pub/tex/CTAN/support/ghostscript/ghostgum/
設定はそのままで「次へ」をクリック。
その他ソフトウェアのインストール設定画面→「次へ」をクリック
ちなみに、ここにWinShellとXypicが無いのは仕様です。気にしなくてOK。
さらにちなみに、ispellをダブルクリックすると、デフォルトのダウンロード先がチェックできます。
- ispellのダウンロード先 : http://w32tex.org/w32/
ダウンロード情報の取得開始
ここでダウンロード先が確認され、ダウンロードするファイルのリストを取得します。しかし、とても失敗しやすいです。エラーでは、
接続時にエラー発生
と表示されてしまいます。ここで失敗した場合の詳細は、手順の後の「ダウンロード情報の取得に失敗したときは」に記しておきました。ここでは、エラーが発生しなかったものとして続けます。
インストールファイルの選択→そのまま「次へ」
ダウンロードするバージョンなどを変更できますが、デフォルトで最新版が選択されるので、変更せずに「次へ」をクリックします。
その他のソフトウェア→すべてONのまま「次へ」
その他のソフトウェアとして
が表示されます。すべてのチェックをONにして「次へ」をクリック。
ダウンロード開始→待つ
ダウンロードが始まります。完了を待ちます。ダウンロードが完了すると、インストールが開始されます。
GPL Ghostscript Setup(1/3)→「Install」
はじめに、Ghostscriptのインストールが行われます。設定画面で
- Install to directory : C:\gs
- Add shortcuts to : Ghostscript
- Use Windows TrueType fonts for Chinese, Japanese and Korean : チェック
と表示されるので、そのまま「Install」をクリックします。
GPL Ghostscript Setup(2/3)→「Setup」をクリック
WinZip Self-Extractor - gsv49w32.exe
This installs GSview 4.9 for Win32.
GSview uses Ghostscript to display, print and convert Postscript and PDF files.
と表示されたら、「Setup」をクリック。
GPL Ghostscript Setup(3/3)→「English」をクリック
言語選択画面が表示されます。日本語は無いので、「English」をクリック。
GSview Install(1/3)→「Next>」「Next>」
GSview Installが始まったら、「Next>」「Next>」とクリックします。
GSview Install(2/3)→「Associate PDF [.pdf] files with GSview」のチェックを外し「Next>」
ファイルの関連づけの設定をします。
- Associate PostScript [.ps and .eps] files with GSview.
- Associate PDF [.pdf] files with GSview.
PDFをわざわざGSviewで見る必要もないので、下のチェックボックスは外しておきます。設定が終わったら「Next>」
GSview Install(3/3)→設定はそのままで「Next>」「Next>」「Finish>」「Exit」
インストール先の設定が、次のような初期設定で表示されます。そのままでいいので、「Next>」「Next>」「Finish>」「Exit」の順にクリックします。
GSviewのインストール先 : C:\Program Files\Ghostgum
dvioutインストール→設定はそのままで「OK」
インストール先設定はデフォルト(C:\tex\dviout\)のまま、「OK」をクリックするだけでdvioutのインストールは完了です。
ispellインストール(1/3)→設定はそのままで「OK」「OK」
システム辞書のインストール先を聞かれるので、デフォルト(C:\tex\ispell\dic)のまま「OK」をクリック。続いて、個人辞書のインストール場所も聞かれるので、デフォルト(C:\Users\(ユーザ名)\)のまま「OK」をクリック。
Winshellインストール→設定はそのまま、ライセンスはちゃんと読んで「Next>」「I accept the agreement」「Next>」
「Next>」「I accept the agreement」「Next>」の順にクリックします。途中、ライセンスが表示されますが、ちゃんと読みましょう
Winshellインストール(2/3)→設定はそのまま「Next>」
いくつかの設定項目が表示されますが、そのままで構いません。そのまま「Next>」をクリックして、インストールを開始します。
Winshellインストール(3/3)→「Finish」
インストールが完了すると、
Completing the WinShell Setup Wizard
と表示されるので、「Finish」をクリックして全インストール行程終了です。
再起動
最後に、環境変数の変更(PATHの追加など)を有効にするため、求められなくても再起動を行ってください。ちなみに、加えられた環境変数は次の通りです。
- ISPELL_DICTDIR : C:\tex\ispell\dic\
- PATH : C:\tex\bin
- PATH : C:\gs\gs8.70\bin
- PATH : C:\gs\gs8.70\lib
インストール完了
めでたしめでたし。これで、WinShellを利用したTeX(LaTeX)ファイルの作成が行えるようになります。
おすすめ参考図書
定番中の定番なのですが、挙げないわけにはいかない定番図書を紹介しておきます。その名は「美文書作成入門」です。とりあえず、この本さえあればTeX文章の書き方がとてもよく分かります。また、記号や数式などの書き方も網羅的に記述されており、リファレンスとして重宝します。ネット上ではそこまで詳しく書かれているページが見当たらないので、購入しておいて損はないと思います。
ダウンロード情報の取得に失敗したときは
さすがにエントリが長すぎるので、次の記事に書きます。というか、こんな内容のエントリに時間かけ過ぎた。。。
まとめ
TeXインストーラを利用すれば、本当に驚くほど簡単にTeXをインストールできるので、これからTeXデビューする方は是非お試しあれ。
この記事のコメント
諸々インストールしてみたのですが、
いざ、Winshellを起動しようとすると、
「WSU.exeは動作を停止しました」
というのが止めどなくでてきます。(再起動しないととまりません)
どういう対処をしたら良いでしょうか…?
OSはVistaです。
コメントありがとうございます
> 「WSU.exeは動作を停止しました」
> というのが止めどなくでてきます。(再起動しないととまりません)
私はこのような状態に遭遇したことがありません。
WinShellがインストールされている私のPC(Vista)からWSU.exeというファイルを見つけることも出来ませんでした。
WSU.exeが何のためのファイルであるか調べられましたでしょうか。
少し調べたところ、
http://spywarefiles.prevx.com/RRHDFG799781/WSU.EXE.html
で紹介されているもの"かも"しれません。
この内容が正しいとすれば、wsu.exeの削除を検討した方が良さそうです。
また、止めどなく出てくるということは、終了し次第wsu.exeが再起動しているとも考えられるため、その点にも注意してみてください。
あまり、参考にはなりませんが、よろしくお願いします。